♫短編小説・前編⛰北岳と正露丸💊♫
いい歳ぶっこいた皆さんお疲れ様です♫
世間は大型連休に入ったって事で
今回は特別企画、ヤングブチ猫オヤジ
短編小説を前編後編
2回に分けてお届けしますよ❣️
⛰⛰⛰⛰⛰⛰⛰⛰⛰⛰⛰⛰⛰
美しく光り輝く瞳の、少年時代から
放浪癖のあったブチ猫オヤジは
高校生になると自ら山岳同好会を
同級生たちと作り
あちこちの山に登っては
お酒をたくさん飲んでいた🍺
イギリスの登山家
ジョージ・マロリーは
「そこに山があるから登る」という
有名な捨てゼリフを残して
エベレストで永遠の道案内になったが
僕らは「酒を飲むために登る」という
仲間内では有名な名言の下、
山に登っていたのだ。
もう40年以上前のユルユルの世の中、
こんな事も普通に公言できた。
んで、この日はメンバー3人
俺・会員Y・会員Tの3人で
北岳を目指していた。
広河原から入って肩ノ小屋近くの
キャンプ場に着いて
ダッシュでテントを張り始める⛺️
山行は早立ちが基本。
早いとこ設営して明日の北岳アタックに
備えるのだ。
つーのは建前で、早くテントの中で
やっぱり早く酒飲みたいからだ🍺
しかし会員Yの様子がおかしい。
俺と会員Tがテント張りしてんのに
参加しないで少し離れたところで
苦痛に顔を歪めながら
立ったりしゃがんだり、
たまに中腰のまま固まったりしてる。
聞くと会員Yは幕営地に降りている最中に
すっ転んで受け身を取り損ねた時に
手をしこたま打って少し切れたとの事。
残りの俺と会員Tは「ダセ〜🤣」
って大笑いしながら設営を続けていたら
「お前らは仲間がケガしてんのに
大笑いしやがって友達甲斐の
ないヤツらだ!」
と言って1人不貞腐れてスニッカーズの
ピーナッツをムダにポロポロ
こぼしながら食い始めた。
とりあえず設営完了して中に入って
じゃあ明日に備えて生ぬるいビールで
乾杯すっか❣️
あれ❓
テントの隅で会員Yは背中を向けて
フテ寝している。
「おい!Y ‼︎ お前乾杯しねーのかよ?」
俺が言うと、Y
蚊の鳴くような声で「痛えんだよ・・・」
会員Tが飯食わないのかと聞いても
苦痛に歪めた顔をチラッと向けて
また向こうを向いてしまった。
この状況、すごくうっとーしい。
そうだ❣️
「痛ぇのって酒飲むと脳が麻痺して
痛みが和らぐんじゃね?」と俺。
すかさず会員Tがスキットルに入った
トリスウィスキーを会員Yのたもとに
ほん投げた。
背中向けてるからよく分からないけど
キュルキュルとスキットルの栓を
開けているようだ。
そして数秒後、
「ハァーーーーーーーッ!」
どうやら少し飲めたらしい。
「どうだよ?痛み和らいだろ」と会員T。
「あ〜〜〜〜」
よくわからない返事の会員Y。
もうめんどくさいので会員Yは
ほっといて俺と会員Tでバカ話しながら
たまに聖子ちゃんを歌ったり
それはもう大盛り上がりだった。
するとテントの隅の会員Yは突然
「うわぁ〜〜〜〜っ‼︎」と叫んだ。
「うるせーーーんだよ‼︎」
ほぼ同時に俺と会員Tが叫んだ。
後編へ続く💕
1980年 OMD
"Enola Gay"
(邦題・エノラ・ゲイの悲劇)
んじゃまた👍